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大嫌いだったそばかすをちょっと一撫でしてため息を一つ

第49幕

 むふふ~。どうですかこの衣装は姫君の真っ赤な衣装にばっちりに合う純白のスーツ!
 もちろん姫君とハワイで初デートという今日のために新調してきました。玻璃の様に透明で白皙な肌、その輝くブロンドの御髪はアポロンを遣わした太陽のように美しく、魅惑的な貴方のお姿を、着古したぼろスーツなんかで台無しにするわけには参りません! 今日は安心してデートを楽しみましょう。
 そうですね、先ずはあの60階建てのホテルの屋上でディナーを堪能致しましょうか。
 ささ、どうぞ。エレベーターが参りました。ああ、二人きりなんて本当にドキドキしますね、って、どうしたんですか、行き成りそんなお近くに……あ、吐息が首にかかって…………え、もう、ここで、ですかっ?! いえいえ、いけません僕はこんな目的で……いえ、したくないかと言われればしたいですが……しかしっ…………はわっ――――――
「ふごっ!?」

 目の前に見えるのは、白い天井。微かに匂う、消毒液他の薬品の香り。そして―――暑い。
「あ、起きた? お早う」
 寝ぼけた右耳でも判断できる、聞きなれた声の主を首を使って探すと、いたいた。この学校から知り合って、もう1年は経つ国木田が、隣のベッドで勉強道具を広げていた。こんな所でまで勉強かよ……目覚めた最初にそれはキツイぜ。
 身体を起こして勉強家に向き合って聞く。
「はぁ~、イテテ、、、いま何時だ~?」
「もう四時になるところだよ。俗に言う、放課後ってやつ」
「うひゃあ、そっかー。ラッキー」
「まったく、何がラッキーなんだよ。成績やばいんだから、授業出れなくてどうするのさ」
「いいんだよ。俺は俺の生きたいように生きるんだっ」
 まったくひでえ目に遭った。あいつら本気で殴ったり蹴ったりするこたないだろうよ・・・。日に日にコンビネーション技身に着けやがって、仲良すぎだろアイツら。大体、長門有希の方はどうなてんだ? お前がそんなスケコマシだとは思わなかったぜ。俺もあんなに好いてくれる子が欲しいって。
 ぐ~、なんだか良い夢見ていた気がするが、思い出せねえ! せめて起きたら女の子がじっと顔を見つめながらお早うって言って看病してくれてるとかねえのかよ。なんでよりによって国木田なんだ。なんで……

「なんで、お前が女じゃないんだ」
「―――っは?」

 ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

「ふぬあっ!?」
 あわてて口を塞ぎ込むがタイムイズマネー!! 何とか矢の如し! ペン先を止めた国木田が上からノートを覗いていた体勢で顔だけをこちらに向けているので、自然と睨んでいるような上目遣いで止まる。
「あ、ち、ち、違うぞ! これはなあ!」
「ああ、はいはい。分かってるよ。どうせ起きたら女の子がいて欲しいなぁ、とか考えてたんでしょ」
 その通りだ。言葉が出ずに首が正解だと示す。
「すみませんねえ、僕みたいな普通の男で……んで、もう大丈夫? 歩けそう? ならもう帰ろうよ」
「あ? あああ~、そうだな! 帰るとすっか~!」
 俺は身体をほぐしながら立ち上がった。


 まだまだ日の沈まない空を背に、国木田と二人、坂道を下りきる。
 キョンの野郎は涼宮たちと部活動だからな~。けど関係ないんだよそんなの! 俺は俺で美しい薔薇色人生を見つけるんだ! 先ずは可愛い彼女からっ!
「よぉーっし! 今日も街でハンティングしてくるとすっかなー! どうよ、国木田。今日はお前も来るか?」
「行かないよ。今週はあと一日学校があるんだし。ゆっくり休んで、明日も坂道上れるようにしておかないとね」
「そうかいそうかいっ。たく、攻めて行こうっつー、男気を感じないぜ!」
「まぁ、大学入ってからでも遅くないと思うしね、僕は。じゃ、せいぜい命中率を上げるように頑張ってね」
「おうよ!」
 そうして国木田と別れて、街に向かった。



「よっしゃー! 本日最高記録!」
 と、喜ぶ俺。何やってんだろうな、一人でシューティングゲームなんて。
 まあ、結果はダメダメだった。投網は穴開き、元の木阿弥。声をかける子、かける子、みんな駄目。ガードが固いぜまったく。しまいにゃ、彼氏持ちなんかに引っかかるところだったし。ついてね~ぜ、たっく、こんなにも努力してるんだからたまには贈り物をくれたっていいじゃねえか、神様さんよぉ。
「ん……今の?」
 一瞬、北高制服を着た奴を見かけた気がしたが。気のせいだったろうか。
「・・・ま、いっか。帰ろう。あいつが居るわけ無いしな」
 明日に向けてナンパの作戦を練りながら、スラックスのポッケに両手を突っ込み、つまらない自分の家の帰り道をなぞる。
 まだ、ビルから顔を出さねえなあ・・・お月さん。

 夜空を見上げて、更に寂しくなった。




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「おいおい、待ってくれ。それじゃ解決方法が分からないってのか?」

 まどろむ脳みその中、切れ切れに聞こえてくる男の声によって、あたしの眼は覚醒されつつある。
 今日は何月何日何曜日、地球が何回滅んだときだ・・・?











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