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走る 走る 俺たち いつか辿り着いたら君に打ち明けられるだろう

第47幕

       






                       『アウトスカートマイユアセルフ』



































 二度あることは三度ある。三度あるなら四度ある。泣いてる面に蜂の針。何故、こんなにも起きて欲しくないような事が続くのだろうね。(正確に言えば、起きて欲しいとは1ナノ、ピコ、ヨクトも思ってないんだが) 俺がよほど不幸を運んでくる体質なのか、ハルヒが厄介ごとを持って来るアトゥムかイデアなのか。できれば後者であって欲しい。両方であるなら救いようがないね。どこかに英雄となりうる者は居ないものかと考えつつ、ハルヒが無限に増えたらきっと宇宙が崩壊するという結論に至る。

 目の前の光景は、明らかに俺の予想を月に向けた宇宙船が冥王星に行ってしまうくらいに超えていた。
 おーい、どうなってるんだー? 早くUターンしてきてくれないかね。そうしたら猿が進化して人間が退化しているような世界になっているかもしれないが、この状況を解決できるというのならそれでもいい気がしてきた。
 この心地よくメラニン組織に浸透してくるお日様の光を一身に浴びながら、遅刻しないように精一杯走ってきた足腰と精神に追い討ちをかける事態が俺の机の周辺で起こっている。とりあえず。朝から何であんなに元気なんだろう、寒風摩擦でもやってるんじゃないのかと疑ってしまうハルヒの声に応えねばならん。二年五組の引き戸から窓際にある、俺の席であるはずのところへ歩を進め始めて、すっかり注目の的になってしまったことを全身に刺さる視線で実感しながら、まだ覚醒しきっていない顔をした、紫と赤と茶を1:2:7くらいに混ぜたような色のポニーテールで( 口元と耳の上を繋いだ黄金比を考慮した素晴らしいセッティング)、モミアゲは鎖骨の下まで伸びている彼女を確認する。背丈はハルヒと同じくらいで、衣服はウチ学校のセーラー服だから、不審者ではないようだが……眼と眼が合った。
「ども」
「どうも」
 どちらともなく会釈をする。うむ、重力に従って追従する髪から石鹸の匂いがする、礼儀のある良い子じゃないか。
 目線を前に向けると、いかにも 「私は偉いんだから!」 と言っていそうな態度で腰に手を当ている女子生徒に質問を投げ掛ける。
「どうしたんだ、ハルヒ。この子が何かしたのか?」 
 俺は後に、この発言を後悔することになる。何時かって? この次の台詞で、だ。
「どうしたもこうもないわよ! あんた、この子と知り合いじゃないの? なんだか、私はキョンですって言い張るのよ。なんか知ってるなら白状なさい」
 そんなジト目でみられても、白状できないくらい真っ白な罪状なのである。まったく、団長様は無理難題をおっしゃる……。

 って、待てよ・・・キョン・・・だって?

 もしや、またドッペルゲンガー? ゲッペルドンガー? 勘弁してくれ、そんなの嫌だぞ。またこの前のように奔走する羽目になるのか? いやいや、彼女は女だ。そもそも容姿は俺じゃないしな。だが只事ではない。きっとハルヒの行動が何かを、この事態を引き起こしたと考えるべきだ。となると、どうやってハルヒに自分の力を気取られずにここを乗り切るかだが……あぁ、くそ! 何故俺はさっき不用意に「この子」なんて言ってしまったんだ!? これはどうあがいても違和感のある言い訳しか思いつかないが……働け! 俺の脳みそ、辛みそ! 切り抜けるにはアレかないか、うむ、アレしかないっ!
 狼狽を挙げる俺を叱咤しながら、すまないと思いつつ彼女の右肩を掴み、右脇に引き寄せる! 少し驚いたように、ビクッと震えた彼女を腕で感じながら言い放つ!

「こ、こいつな、俺の……従兄妹、なんだ」

 腕に感じていた震えは止まり、変わりに顔をこちらに向ける( 案外華奢な身体の )彼女と、唖然とした表情のハルヒと共に、教室内は沈黙に包まれた。一瞬、俺の言葉が日本語でも、地球語でもなかただろうかと感じさせる。どうした、ハルヒ何か言ってくれ……バカでもアホでもなんでもいい。お前が反応してくれないとどうにもならない空気なのだがええい、補足としてなにか付け足そうかと考えて、ハルヒが自意識を取り戻したのか、右腕がゆるりと動き出し、

「きょ、」



























「驚 天 動 地 だ !」「なんで今まで黙っていたキョン!? そんなカワイコちゃんの事を!」

 何故か、谷口が吠えた。
 


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