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誰かが呼んでいる 戻る現実の場所 また何かが始まる 全て必然

第43幕

「被告人。あんたはキョンでいいわね」
 涼宮ハルヒが "裁判官" と記入した用紙を添付した立て札を机に強打しながら発言する。
 腕を組み、自然体で立つ涼宮ハルヒの目線の先には、鳥類の卵を半分に分離させた形の機械が取り付けられた椅子に、右手首、左手首、右足首、左足首、腰部、頸部をビニル繊維で作製された紐や、衣服を止める革製の帯で固定されている彼が存在している。
 彼が自力であの状態から脱出できる可能性は1.001パーセント。彼はこの星の男性と分類されている生物の平均的筋力だと仮定して、脳内の安全装置が外れた場合のみ脱出することが可能。
 問いかけには答えず、緊張状態の彼を睥睨しながら涼宮ハルヒは続ける。
「被告人は今日、放課後の北高内SOS団部室において、SOS団団員の一人である長門有希という女子生徒を無理矢理、今あんたが座ってる椅子に座らせて、逃げ道をなくし、くち……いかがわしい行為に転じようとしました。よって、判決は――」
「異議あり!!」「ハルヒ。決め付けるんじゃない。俺はそんなことしてないっていってるだろ! ただ、この、俺の頭の上にある機械がどんなものか確かめたくて座らせただけだ。大体、裁判官が検事も兼任してどうするんだ。ディベートの意味がないだろ!? 古泉、お前もなんか言え! あと、この拘束具を外してくれ! というか、それを優先で!」
 ……彼も、被告人と弁護人を兼任している。
 窓際から見事して、右方に、古泉一樹が肩をすくめて、
「いやぁ、誠に残念ながら。僕は現場を見ていないのでなんとも言えません」
「まあ、そりゃそうか……長門。頼む、お前から何とか言ってくれ。俺はそんな行為してないってさ」
 左方の長机に付随するパイプ椅子に座っている西洋給仕の格好をした朝比奈みくるを一瞥し、何かを諦めたように懇願する。朝比奈みくるが涼宮ハルヒに口頭で説得できる可能性を見出せなかったと推測する。

 結論として、彼は何もしていない。

 あの機械は、椅子に誰かが座することで作動するように造られている。一人ではスイッチを目視することが出来ず、操作が不可能。よって、彼は近くにいた私に助力を依頼したと推定。
 検証中。彼は空洞になっている機械の内部に、何かを発見した模様。彼はそれを確かめるために覗き込んだ。有可動領域の少ない機械の為、必然的に私と彼の頭部は接近する。
 そこで、涼宮ハルヒと朝比奈みくるが入室してきた。

「どうなの有希。本っ当に、あいつに何もされてない?!」
 涼宮ハルヒが退屈しない為に否定するのが賛成2、反対1。しかし、彼が無事日常生活を送れるように肯定すべきなのが賛成2、反対1。このままでは解答不能。再思考…………
「ほら! ショックで黙り込んじゃったじゃない!!」
「な、な……長門さ~ん…………?」
「これは重罪ね……あ、そうか! この罪をあんたにきつく教え込む為に、とってもいい方法があるわ!」
「ハルヒ、お前、今思い付いたろ」
「うっさいわね! いい!? 本当は被害者である有希に罪を決定してもらうのがベストだけど。この通り、ショックで話せないみたいだから私が決めてあげるのよ! あんたには……」
 右の肘で天井を突き刺すように振りかぶり、
「丸坊主の刑を言い渡します!」
 人差し指と中指で彼を指し示す。
 彼は一瞬の空白の後に、

「なぁんだ、そんな…………そんな!? はい? 本気かハルヒョッ!!?」

 今の彼には、お茶を摂取することが有効。


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