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三月の今なら、まだ間に合うさっ!? のハルヒ性転換SS

第二幕
=キョン子の憂鬱~白い日~=

 さっぱりと晴れた空。カーテンの隙間から覗く光は心地よい。だけど、外はとても寒いであろう。何故なら今は3月。本来なら冬割り草も姿を現し、春らしくお天道様も勢力を強めるはずだが。今年は調子が悪いようだ。タダでさえ寒がりな体質なのに、コレでは動けん。動いたら氷が割れるように体が壊れそうだ。うむ、ここはもう少し暖かくなるまでここに潜っていよう。
 
(・・・朝か。)

 寝起きの悪いあたしが目覚ましのなる前に起きるなんて。やはりこれから起きる、いや起こす行動に要因があるだろう。やっぱり、やめておこうか。いや、でも折角用意したし。そこまでの労力を無駄にするのは今日までのあたしが報われないのである。しかし、まだ決心がつかないうちに不穏な気配が迫ってきた。朝っぱらだというのに元気にドタドタと走る足音の主はこの家じゃぁ1人しか居ない。

「キョ~ンちゃ~ん!朝ごはんだよぉ~~!」といいながらホップ、ステップを跳び越してジャンプしてあたしの腹部があるはずの場所へダイブする不届き者が現れたっ。でもまぁ、今日は起きているのでそんな攻撃は受け付けないのである。横に寝返りを打ってガードだ!

 ドンッ

「イタイな。」
「あ、起きてた。」

弟よ。もっと姉を労わりなさい。これから長い長い上り坂を登校するという苦難が待ち受けてるのだから。やれやれ、さっきの悩み事はなんだったけ?

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「うひょ~、さむいぃ~ぃぃぃ・・・」

家を出て5分ほど歩いたところで、蓄えてきたあったか~い空気が底を付き。寒い外敵が攻めてきた。制服にカーディガンをはおり、膝丈のコートにマフラーを着込んでいてもこれほどとは。自然は厳しいねまったく。仕方なく、両手をコートのポケットに入れ身を縮こませながら歩く。

「ったく。早く冬が終わればこんなかったるい厚着しなくて済むのになぁ」
「あら、それは困りますね。」

一体何が困るって言うんだ、いつもながら顔が近いぞ古泉。朝はよくお前に遭うねぇホント。あと、一応言っておいてやる、今日も涼しげな顔で暖かそうでいいねぇ。

「ふふ、お早うございます。」
「ああ、おはよー」
「この冬が終わってしまったら、キョンちゃんの可愛いカーディガン姿が拝見できなくなってしまいます。」
「今、ちょっと脱ぐわ。」
「あら、それは良いですね」

はぁ~・・。頼むから本当に期待の眼差しでコッチを観るな!こんな公衆の面前で脱げるかっ。

「なら、二人っきりのときにでも。」

今日は一段と冷えるな。特に背筋が。

「それで、結局何になされたのですか?」
「ん?・・あぁ、まぁいいじゃねぇか。結局分かるんだし。」
「あなたの事ですから、本当に渡せるかどうか心配なのですよ。」

残念だがな古泉。あたしはそこまでシャイじゃないんでね、気性の激しい雄ライオンに生肉のプレゼントは出来なくても。ハルヒコにお返しを渡すくらいは造作もない。10秒で終わらせてやる。

「まあまあ。それは楽しみです。」

信じているのかいないのか、どっちつかずの笑顔で言った。いや、楽しみなのだろう。なんせ、こいつのせいでお返しなんて事をする羽目になったんだ。仕掛け人と観客は誰でも楽しみなものさ。

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 午後のHRが終わり、あとは掃除を残すのみとなった。だが、あたしは今日は掃除当番ではない。こういうときに限って何もないんだな。はぁ、なんか気が紛れることはないもんかね。文芸部兼SOS団の部室へと向かう足が重いぜ。・・・ってなんでこんなに気が重いんだ。別にあん時はついでに貰っただけだし?ホントはこんなお返しなんてしなくていいハズ・・・ハズなのだが。ああ!いまいましい!っちゃっちゃと渡して終わりにしよう。長門も居るだろうし、別に変なことにはなるまいよ。ん、変なことって・・・いや忘れろ、あたし。

 部室の扉の前に立つ。騒がしい音はしない。どうやら、みつる先輩はまだ来ていないようだ。扉を開けて中を見渡す。長机にパイプ椅子。給湯ポットにガスコンロとやかん。そして、ボードゲームにコスプレ衣装。まったく、ここに棲むつもりなのかと思いたくなる。そのように部屋を仕立て上げた本人が机の上に三角柱に団長と書かれた小物を置き、隣の部から掻っ攫ったデスクトップ型のパソコンの後ろにおわしまする。我らがSOS団団長涼宮ハルヒコその人である。

「よう。」
「んお?ああ、キョン子。早かったな。」

ハルヒコ。いつもながらそのあだ名、とても全身が痒くなるぞ。

「いいじゃんか。この俺がつけたあだ名だ。素直に喜べよ。たっく、タダでさえちっこいのに心までちっこくなったらダメだぜ?」
「余計なお世話だ。それに、元あったあだ名に一文字足しただけだろ。しかも本人が許可をしていないのだがな。」
「ああああ!もう、全然情報がこねぇぞ~!ちゃんと載ってるんだろうなあ?このホームページ。」

 聞く耳持たずである。やれやれ。っと、本来の目的を忘れるところだったな。「おい、ハルヒコ…」と声をかけた瞬間に気付いた違和感。そう、

 長門が居ない。

 おいおい、本当か?目が疲れて見えないだけじゃないよな?あたしの目が正しければ今、この部屋にはあたしとハルヒコの2人のみ。2人っきりというわけだ。だからどうしたって?もちろん何の心配も支障ありませんとも。ええ、もちろん。

「? 何だ?」
「・・・・」

と、あたしが逡巡している間。固まってしまったのを不思議に思ったのかハルヒコがあたしの次の言葉を急かす。まぁ、待て。今話すから。落ち着けーあたし。

「ほ、ほら。先月っさ。みんなで宝探ししただろ?」
「ああ、あれか?結局な~んも見つからなくてガッカリだったけどな。鶴屋先輩からの情報だったから期待したんだけど…ま、あの山じゃなくても違うところにあるかもしれないしな今度行ってみるか・・・」
 
 いやいや、それは止めてくれ・・・また何度も林や藪の中を登り降りするのは流石にしんどい。

「っでさ、あん時。お前、お菓子くれただろ?だから、ほらこれ。お返しだ。」

 そう言って、ポストカード程の大きさの小包みを渡す。ほら、早く受け取ってくれ。この状況から脱して一息つきたいんだ。なんだ、今時間は動いてるのか?なにやらハルヒコが微動だにしないんだが。・・・いま何秒経った?10秒はとっくに過ぎてるだろうけどな。

「・・・・」

 まだ、黙り込むハルヒコ。机に置こうか、と思い始めた時、

「これって」
「ん?」
「ホワイトデーってやつか?」
「・・・っ!」

 ま、待て!今日は何日だ!?ま、まさか1と4がご成婚なされている日じゃないだろうな?!ぬあぁああ、まさか。そんなっ!

「・・・要らないのか?」

 心の津波を鎮めつつ、声をひねり出す。

「え、あ…貰う、貰うよ!貰えるものは貰っておくぜ!?サンキュー!」

 ふぅ、やっと受け取ったか。これで本日の試練はおわ―――

「開けるぞ?いいよな!」

―――らなかった。

「いや、ま。いいけど。」と言うや否やぱっぱと手早く。しかもキレイに包装紙を向いていくハルヒコ。箱から取り出されましたるはオレンジ色のバンダナ。我ながら素晴らしいセンスだね、まったく。

「ふ~ん」
「なんだ、文句があるなら言えばいいだろっ。」
「別にねぇよ。てっきりシルバーか何かだと思ったからちょっと拍子抜けしただけだって」

 そんな笑顔で言わなくてもいいだろうに。もう満足か、なら大事にしまっておきなさいな。
と、目の前に何か現れる。そこには左腕をあたしに突き出すハルヒコがいる。なんだ?

「巻いてくれ。」

はぁ~?今、ここでか。こういうところはホント子どもっぽいというかなんつーか、まったく仕方のない奴だ。あまり気が進まないが巻いてやる。丁度、腕章の下らへんだ。巻き終わった後もまじまじと見つめている。いや、なんか。見てられん。もう、いいだろう。ああ、なんだかどっと疲れた。丁度いいところに机と椅子がある。ここで少し休憩しよう。2本の腕で顔を囲み突っ伏す。もう、しばらく動けないぞあたしは。

 ガララッ

「遅れました。」
「お待たせいたしましたぁ。すぐに着替えますね~」

 古泉とみつる先輩がご到着。おいおい、なぁ~んかタイミングが良すぎる気がするが、気のせいだろう。

「どうでしたか?」
「古泉」
「はい、なんでしょうキョンちゃん」
「・・・お前、仕組んだな?」

 そう聞いても古泉は何も答えず。ただただ、笑顔しか返って来なかった。やれやれだね、まったく。


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 っく、もっと良いプレゼントがあったはずだが・・・コレしか思いつかなかったw
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